患者さんたちは、悲しいかな、歯をぬいたあと、「歯医者さんに歯を抜かれちゃった」とおっしゃる方が多いようです。差し歯や詰め物が「先生に入れていただいた歯なんですけど」とおっしゃるのに比べると、随分反応が違います。
せっかく、頑張って患者さんのために抜いたのに・・と悲しくなることもありますが、確かに歯は抜かないほうがいいに決まっています。例外もありまして、他の歯を痛める可能性のある場合や、歯周病が進みすぎて抜かないと痛みがかなり長引く場合などは、患者さんとご相談の上、抜くことをおすすめすることがあります。
なるべく歯をもたせるにはどうしたらいいのか
当院では、抜かなくてもすむ治療法がある場合は、抜くことをおすすめしておりません。歯の根っこが割れてしまったり、歯を支える骨がなくなってしまったりした時は、抜いたほうがいいでしょう。多少の揺れでしたら固定できます。転んで歯を折った場合は、どうしようもありませんが、歯を支える骨をなくさないようにするためには、やはり歯周病の治療を虫歯の治療と同時にすすめておいたほうがいいでしょう。更に、なるべく歯を持たせるために本当に必要なことは、歯みがきです。あと定期的に歯科医院で歯石をよくとることです。
簡単に申し上げますと、虫歯の削り取りかたにも色々あって、その削り方のテクニックを身につけると、削る量が少なくてすむことがあります。そういう手法を勉強しましたので、治療に当然とりいれていますし、これからも勉強を続けたいと思っています。
さらに取り組んでいること
当院では、歯科医師、歯科衛生士、医療事務担当者の技術の向上のため、月一回以上の院内会議を行うとともに、私自身も勉強会への積極的な参加によって、 新しい技術、技術の勉強を怠らないよう努力しています。
現在の課題は、患者さんに対するご説明(インフォームドコンセント) です。患者さんが、私たちスタッフを信頼し、話をきちんと聞いてくれて理解してくださること、実はこれが 患者さんの口腔内にとても大きい効果を生むことがあります。患者さんに、正しい歯ブラシの仕方をマスターしていただくことや、どうして虫歯がすすんで しまったのか、定期的に私共プロの手によって歯石をとることの重要性等を 理解していただき、患者さん自身の歯のケアへのモティベーションをあげることが、実は、歯科医師の技術よりも大きな効果を生むこともあるのです。どうか、当院にいらした時に、歯科医師や歯科衛生士が話しかけて「 歯ブラシの仕方をご説明しますね」と申し上げたときは、是非、耳をかたむけてくださいますようお願いいたします。